偕楽園 梅雨入りに梅の実落とし 販売は中止

2020年6月12日 07時32分

梅の実を収穫する作業員=水戸市で


 本県を含む関東甲信地方の梅雨入りが発表された11日、梅の名所として知られる水戸市の偕楽園で、初夏を告げる風物詩の梅の実落としが始まった。梅雨の語源は、中国で梅が熟す頃に降る雨に由来する説がある。
 作業は12日までで、恒例の梅の実販売は、新型コロナウイルスの感染拡大を予防するために、今年は中止する。中止は、凶作だった1972年以来、2回目。収穫した実は、市内の漬物業者に販売する。
 梅の実を落とすのは、木の栄養を保ち、来春にきれいな花を咲かせるためで、完熟前の毎年6月上旬に収穫している。
 この日は、公園の管理業者が、先端にかぎが付いた竹ざおで梅の木を揺すり、実を落とした。
 偕楽園公園センターによると、今年は冬季の気温が安定せず、開花が平年よりも20日以上早かったことで、昆虫による受粉がうまくいかなかったことから、実の付きが悪い。収穫量は近年低迷しており、今年は昨年の4.6トンを下回る見通しという。 (松村真一郎)

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